#2 UEにモデルを取り込む

前回の記事でお伝えしたように、CADデータは .fbx 形式に書き出してゲームエンジンに読み込むことができます。

では、そのまま使えるのでしょうか?
どのように使えばよいのでしょうか?
今回はその点を振り返ってみます。


CADデータはそのまま使える?

答えは「元のCADデータ次第」です。

Unreal Engine には Datasmithプラグイン があり、対応しているCADデータはエディタに直接インポートすることは可能です。

一方で、それ以外のCADデータは特に、実際にアプリケーションを作ろうとすると「そのまま」の状態では扱いにくいです。

その理由は、CADデータにはCGデータ特有の概念(法線方向や面の向きなど)が欠けているからです。

変換の過程で自動的に付与される情報があり、それが原因で見え方が変わったり、不具合が生じたりします。


DCCツールの役割

そこで重要になるのが DCC(Digital Content Creation)ツールです。
これらはCADから変換された粗いデータを整えるために設計されています。

私はこの作業をプロに任せていますが、調べれば多くの参考情報が見つかります。


UEでの利用方法

データを整えたあとはシンプルです。

  1. 好きなUEテンプレートを開く
  2. .fbxファイルをインポートする
  3. 必要に応じて要素を追加したり、プログラムを修正する

テンプレートは、あらかじめ機能やスクリプトが組み込まれた「土台」です。すぐに使えるのが魅力です。


Collab Viewer テンプレート

特に注目したいのが Collab Viewer テンプレートです。
これが私が Unity ではなく UE を選んだ理由のひとつでもあります。

Collab Viewer は、自動車や建築業界で使われており、共有空間内で:

  • コメントの追加
  • 寸法測定
  • スクリーンショット保存
  • コメントや測定結果をセッションファイルに保存

といったことが可能です。
さらにVRにも対応しており、ヘッドセットを接続すれば仮想空間を直接体験できます。


これからの課題

ここまで読むと「すぐに使えそう」と思われるかもしれません。
確かに導入自体は簡単ですが、実務レベルで活用するにはまだ課題があります。

これらの課題は私自身の取り組みとも直結しており、今後の記事で詳しく触れていければと思っています。