前回の記事でお伝えしたように、CADデータは .fbx 形式に書き出してゲームエンジンに読み込むことができます。
では、そのまま使えるのでしょうか?
どのように使えばよいのでしょうか?
今回はその点を振り返ってみます。
CADデータはそのまま使える?
答えは「元のCADデータ次第」です。
Unreal Engine には Datasmithプラグイン があり、対応しているCADデータはエディタに直接インポートすることは可能です。
一方で、それ以外のCADデータは特に、実際にアプリケーションを作ろうとすると「そのまま」の状態では扱いにくいです。
その理由は、CADデータにはCGデータ特有の概念(法線方向や面の向きなど)が欠けているからです。
変換の過程で自動的に付与される情報があり、それが原因で見え方が変わったり、不具合が生じたりします。
DCCツールの役割
そこで重要になるのが DCC(Digital Content Creation)ツールです。
これらはCADから変換された粗いデータを整えるために設計されています。
私はこの作業をプロに任せていますが、調べれば多くの参考情報が見つかります。
UEでの利用方法
データを整えたあとはシンプルです。
- 好きなUEテンプレートを開く
- .fbxファイルをインポートする
- 必要に応じて要素を追加したり、プログラムを修正する
テンプレートは、あらかじめ機能やスクリプトが組み込まれた「土台」です。すぐに使えるのが魅力です。
Collab Viewer テンプレート
特に注目したいのが Collab Viewer テンプレートです。
これが私が Unity ではなく UE を選んだ理由のひとつでもあります。
Collab Viewer は、自動車や建築業界で使われており、共有空間内で:
- コメントの追加
- 寸法測定
- スクリーンショット保存
- コメントや測定結果をセッションファイルに保存
といったことが可能です。
さらにVRにも対応しており、ヘッドセットを接続すれば仮想空間を直接体験できます。
これからの課題
ここまで読むと「すぐに使えそう」と思われるかもしれません。
確かに導入自体は簡単ですが、実務レベルで活用するにはまだ課題があります。
これらの課題は私自身の取り組みとも直結しており、今後の記事で詳しく触れていければと思っています。