Cloth Simulation(クロスシミュレーション)

【概要】

 :布や衣服の動きや変形をリアルタイムでシミュレートする機能のこと。

 :キャラクターの衣装や旗、カーテンなど、布素材のリアルな挙動を表現するために使用される。

【詳細】

 ・クロスアセット(Cloth Asset)
  :布や衣服の動きや変形をリアルタイムでシミュレートする機能のこと。

 ・クロスペイント(Cloth Paint)
  :布の頂点に対して物理パラメータをペイントするプロセスのこと。
  :布のどの部分が動くか、どの部分が固定されているかを指定できる。

 ・物理プロパティ
  (Physical Properties)
  :布の挙動を制御するためのパラメータのこと。質量、摩擦、剛性、風の影響などが含まれる。

【設定方法】

 1.クロスアセットの作成
  ・3Dモデリングソフトウェアでメッシュを作成する。

  ・作成したメッシュをFBX形式でインポートする。

  ・インポートしたメッシュを右クリック>「Create」>「Cloth」で、クロスアセットを作成する。

 2.クロスペイントの設定
  ・クロスアセットをダブルクリックして「Skeletal Mesh Editor」を開く。

  ・「Cloth Paint」ツールを起動して、頂点に対して物理パラメータをペイントする。

  ・例えば、固定したい部分(例:衣服の肩や腰の部分)は、動かないように設定する。

  ・「Cloth Config」セクションで、布の質量、剛性、摩擦、風の影響などの物理プロパティを設定する。

 3.クロスシミュレーション
  ・作成したクロスアセットをキャラクターやオブジェクトに適用する。
  ・Skeletal Meshの「Details」パネルから「Clothing」セクションを開き、クロスアセットを選択する。

 4.適用の確認
  :ゲームを実行して、クロスシミュレーションが正しく機能しているかを確認

Destruction(破壊)

【概要】

 :オブジェクトや環境のリアルタイム破壊をシミュレートするための機能のこと。

【詳細】

 ・Geometry Collection
  :複数のメッシュを一つの破壊可能なオブジェクトとして扱うためのアセットのこと。

 ・破壊レベル
 (Destruction Levels)
  :オブジェクトがどのように破壊されるかを定義する階層のこと。
  :オブジェクトが段階的に破壊される様子をシミュレートする。

 ・破壊モード
 (Destruction Mode)
  :オブジェクトがどのように壊れるかを制御する。
  :例えば、静的破壊、動的破壊、事前に設定された破壊パターンなどがある。

【設定方法】

 1.フラクチャーモード
  :Geometry Collectionエディタ内で、「Fracture Mode」を選択する。
  :メッシュを破壊するパターンを設定する。例えば、ボロノイ分割やクラスタ分割など。

 2.破壊レベルの設定
  :「Outliner」パネルで破壊レベルを設定し、各レベルごとの破壊パターンを定義する。
  :メッシュが段階的に破壊される様子をシミュレートする。

 3.シミュレーションの設定
  :「Simulation Parameters」で、剛性、摩擦、反発係数などの物理プロパティを設定する。

 4.Destructionアクターの配置
  :Geometry Collectionアクターをレベルにドラッグ&ドロップして配置する。
  :また、破壊をトリガーするイベントを設定する。
  :例えば、プレイヤーの攻撃や爆発によってオブジェクトが破壊されるなど。

 5.シミュレーションの実行
  :ゲームを実行し、設定した破壊シミュレーションが正しく機能するかを確認する。

Chaos Physics(カオスフィジックス)

【概要】

 :高度な物理シミュレーションシステムのこと。

 :破壊、剛体ダイナミクス、流体シミュレーション、クロスシミュレーションなど、さまざまな物理現象をリアルタイムでシミュレートするために設計されている。

【詳細】

 ・破壊シミュレーション
 (Destruction Simulation)
  :オブジェクトの破壊や崩壊をリアルタイムでシミュレートする。
  :建物の崩壊、壁の破壊、オブジェクトの粉砕など、リアルな破壊エフェクトを実現する。

 ・剛体ダイナミクス
 (Rigid Body Dynamics)
  :オブジェクトの運動や衝突をシミュレートする。
  :オブジェクト同士のリアルな衝突反応や動きを計算する。

 ・流体シミュレーション
 (Fluid Simulation)
  :水、煙、火などの流体的な現象をリアルに再現する。
  :流体が動き、相互作用する様子をシミュレートする。

 ・クロスシミュレーション
 (Cloth Simulation)
  :布や衣服の動きをシミュレートする。
  :布のたわみや揺れをリアルに表現する。

【設定方法】

 1.Chaos Physics
   プラグインの有効化
   :「Edit」>「Plugins」>「Chaos Physics」のプラグインを有効にする。(エディタを再起動してプラグインを適用する。)


  a. 破壊オブジェクトの設定

  1)Geometry Collect. の作成
   :コンテンツブラウザで右クリック >「Create Advanced Asset」>「Geometry Collection」を選択する。

  2)破壊オブジェクトの設定
   :Geometry Collectionアクターをレベルに配置し、破壊オブジェクトとして設定する。
   :「Details」パネルで破壊パラメータを調整する。

  3)シミュレーションの実行
   :ゲームプレイ中に破壊シミュレーションが正しく機能するかを確認する。


  b. 剛体ダイナミクスの設定

  1)剛体アクターの配置
   :レベルに剛体アクターを配置する。Static Meshアクターを選択し、「Details」パネルで「Simulate Physics」を有効にする。

  2)物理プロパティの調整
   :質量、摩擦、反発係数などの物理プロパティを調整して、オブジェクトの動きをリアルにシミュレートする。


  c. 流体シミュレーション

   1)流体アクターの配置
    :設定がやや高度のため、公式ドキュメントを参照して設定を行う。


  d. クロスシミュレーション

  1)クロスマテリアルの作成
   :布や衣服に適用するクロスマテリアルを作成する。
   :クロスシミュレーション用のパラメータを設定する。

  2)クロスアクターの配置
   :クロスアクターをレベルに配置し、クロスマテリアルを適用する。
   ;物理シミュレーションが正しく機能するかを確認する。

Ray Tracing(レイトレーシング)

【概要】

 :リアルなライティング、反射、屈折、影の表現を可能にするレンダリング技術のこと。光の挙動のシミュレーション。

【詳細1】

 ・光線の追跡(Ray Tracing)
  :光源からの光線を追跡して、光線がオブジェクトに当たる場所を計算する。
  :光の反射、屈折、影、グローバルイルミネーションなどの効果がリアルに表現される。

 ・反射(Reflection)
  :光がオブジェクトの表面に当たって反射する現象。
  :レイトレーシングによって、リアルタイムで正確な反射を計算し、鏡やガラスなどの表面に適用する。

 ・屈折(Refraction)
  :光が異なる媒介物(例:空気からガラス)を通過する際に屈折する現象。
  :レイトレーシングによって、屈折率に基づいて光の曲がり方をシミュレートする。

 ・影(Shadow)
  :光がオブジェクトによって遮られることで生じる。
  :レイトレーシングによって、影の輪郭を正確に計算し、ソフトシャドウやハードシャドウをリアルに描画する。

 ・グローバルイルミネーション
 (Global Illumination)
  :レベル内の光が複数回反射して拡散する現象。
  :間接光や環境光の影響がリアルに表現される。

【詳細2】

 ・レイトレーシングの有効化
  :「Edit」>「Project Settings」>「Engine」>「Rendering」セクションで、「Ray Tracing」を有効にする。

  :「Support Compute Skincache」を有効にする。

  :「Platforms」>「Windows」セクションで、デフォルトのRHIを「DirectX 12」に設定する。

 ・反射の設定
  :「Post Process Volume」をレベルに追加し、反射の設定を有効にする。
  :「Ray Tracing Reflections」セクションで、反射の品質や最大バウンス数を設定する。

 ・影の設定
  :「Post Process Volume」>「Ray Tracing Shadows」セクションで設定する。

 ・グローバルイルミネーション
  の設定
  :「Post Process Volume」>「Ray Tracing Global Illumination」セクションを有効にする。