Live Link(ライブリンク)

【概要】

 :アニメーションデータやモーションキャプチャデータをエンジン内で使用するためのフレームワークのこと。

 :外部アプリケーションやデバイスからのデータをリアルタイムでストリーミングできる。

【詳細】

 ・サブジェクト
  :Live Link に接続されたデータソースが提供するデータストリームのこと。

  :特定のアニメーションデータやモーションデータを含む。

 ・リシーバー
  :Live Link データを受信し、キャラクターやオブジェクトに適用するコンポーネントやシステムのこと。

Control Rig(コントロールリグ)

【概要】

 :キャラクターやオブジェクトのアニメーションを作成および制御するためのツール。

 :リギングプロセスを簡素化し、リアルタイムでのアニメーション作成や編集を可能にする。

【詳細】

 ・リグ(Rig)
  :キャラクターやオブジェクトの骨格(スケルトン)にコントローラーを追加して、アニメーションを制御する仕組み。

 ・コントローラー(Controllers)
  :リグの各部分を操作するためのインターフェースのこと。

  :トランスフォーム(位置、回転、スケール)を変更して、キャラクターの動きを制御する。

【Control Rigの設定方法】

 1.プラグインを有効化する
  :「Edit」>「Plugins」から「Control Rig」プラグインを有効にする。(エディタを再起動してプラグインを適用する。)

 2.アセットを作成する
  ・リグを適用するキャラクターやオブジェクトの Skeletal Mesh を用意する。
  ・コンテンツブラウザで右クリック >「Create Advanced Asset」>「Animation」>「Control Rig」から新しいControl Rigアセットを作成する。

 3.ブループリントを設定する
  ・作成したControl Rigアセットをダブルクリックして「Control Rig Editor」を開く。

  ・リグの各部分にコントローラーを追加する。
   :「Rig Hierarchy」パネルで、スケルトンの各ボーンに対応するコントローラーを作成する。

  ・例えば、「Transform」ノードを使用して、コントローラーの動きをボーンに適用する。

 4.アニメーションを作成する
  ・シーケンサーを使用して、Control Rig を用いたアニメーションを作成する。
  ・タイムライン上でコントローラーのトランスフォームをキー設定する。
  ・作成したアニメーションをプレビューする。

Groom(グルーム)

【概要】

 :髪の毛や毛皮のシミュレーションとレンダリングを実現するためのシステムのこと。

 :Groomシステムを使用すると、詳細な髪の毛や毛皮をリアルタイムで表現できる。

【詳細】

 ・ガイドカーブ(Guide Curves)
  :髪や毛の流れを制御するためのカーブのこと。
  :3Dモデリングソフトウェアで作成して、髪や毛の基本形状と動きを定義する。

 ・ストランド(Strands)
  :実際の髪の毛や毛皮を表現するための細い線の集合のこと。
  :ガイドカーブを基に生成され、リアルな毛の外観を作成できる。

 ・Groomアセット
  :髪の毛や毛皮のデータを保持するアセットのこと。
  :ガイドカーブやストランド、シェーダー設定などが含まれる。

Cloth Simulation(クロスシミュレーション)

【概要】

 :布や衣服の動きや変形をリアルタイムでシミュレートする機能のこと。

 :キャラクターの衣装や旗、カーテンなど、布素材のリアルな挙動を表現するために使用される。

【詳細】

 ・クロスアセット(Cloth Asset)
  :布や衣服の動きや変形をリアルタイムでシミュレートする機能のこと。

 ・クロスペイント(Cloth Paint)
  :布の頂点に対して物理パラメータをペイントするプロセスのこと。
  :布のどの部分が動くか、どの部分が固定されているかを指定できる。

 ・物理プロパティ
  (Physical Properties)
  :布の挙動を制御するためのパラメータのこと。質量、摩擦、剛性、風の影響などが含まれる。

【設定方法】

 1.クロスアセットの作成
  ・3Dモデリングソフトウェアでメッシュを作成する。

  ・作成したメッシュをFBX形式でインポートする。

  ・インポートしたメッシュを右クリック>「Create」>「Cloth」で、クロスアセットを作成する。

 2.クロスペイントの設定
  ・クロスアセットをダブルクリックして「Skeletal Mesh Editor」を開く。

  ・「Cloth Paint」ツールを起動して、頂点に対して物理パラメータをペイントする。

  ・例えば、固定したい部分(例:衣服の肩や腰の部分)は、動かないように設定する。

  ・「Cloth Config」セクションで、布の質量、剛性、摩擦、風の影響などの物理プロパティを設定する。

 3.クロスシミュレーション
  ・作成したクロスアセットをキャラクターやオブジェクトに適用する。
  ・Skeletal Meshの「Details」パネルから「Clothing」セクションを開き、クロスアセットを選択する。

 4.適用の確認
  :ゲームを実行して、クロスシミュレーションが正しく機能しているかを確認

Destruction(破壊)

【概要】

 :オブジェクトや環境のリアルタイム破壊をシミュレートするための機能のこと。

【詳細】

 ・Geometry Collection
  :複数のメッシュを一つの破壊可能なオブジェクトとして扱うためのアセットのこと。

 ・破壊レベル
 (Destruction Levels)
  :オブジェクトがどのように破壊されるかを定義する階層のこと。
  :オブジェクトが段階的に破壊される様子をシミュレートする。

 ・破壊モード
 (Destruction Mode)
  :オブジェクトがどのように壊れるかを制御する。
  :例えば、静的破壊、動的破壊、事前に設定された破壊パターンなどがある。

【設定方法】

 1.フラクチャーモード
  :Geometry Collectionエディタ内で、「Fracture Mode」を選択する。
  :メッシュを破壊するパターンを設定する。例えば、ボロノイ分割やクラスタ分割など。

 2.破壊レベルの設定
  :「Outliner」パネルで破壊レベルを設定し、各レベルごとの破壊パターンを定義する。
  :メッシュが段階的に破壊される様子をシミュレートする。

 3.シミュレーションの設定
  :「Simulation Parameters」で、剛性、摩擦、反発係数などの物理プロパティを設定する。

 4.Destructionアクターの配置
  :Geometry Collectionアクターをレベルにドラッグ&ドロップして配置する。
  :また、破壊をトリガーするイベントを設定する。
  :例えば、プレイヤーの攻撃や爆発によってオブジェクトが破壊されるなど。

 5.シミュレーションの実行
  :ゲームを実行し、設定した破壊シミュレーションが正しく機能するかを確認する。

Chaos Physics(カオスフィジックス)

【概要】

 :高度な物理シミュレーションシステムのこと。

 :破壊、剛体ダイナミクス、流体シミュレーション、クロスシミュレーションなど、さまざまな物理現象をリアルタイムでシミュレートするために設計されている。

【詳細】

 ・破壊シミュレーション
 (Destruction Simulation)
  :オブジェクトの破壊や崩壊をリアルタイムでシミュレートする。
  :建物の崩壊、壁の破壊、オブジェクトの粉砕など、リアルな破壊エフェクトを実現する。

 ・剛体ダイナミクス
 (Rigid Body Dynamics)
  :オブジェクトの運動や衝突をシミュレートする。
  :オブジェクト同士のリアルな衝突反応や動きを計算する。

 ・流体シミュレーション
 (Fluid Simulation)
  :水、煙、火などの流体的な現象をリアルに再現する。
  :流体が動き、相互作用する様子をシミュレートする。

 ・クロスシミュレーション
 (Cloth Simulation)
  :布や衣服の動きをシミュレートする。
  :布のたわみや揺れをリアルに表現する。

【設定方法】

 1.Chaos Physics
   プラグインの有効化
   :「Edit」>「Plugins」>「Chaos Physics」のプラグインを有効にする。(エディタを再起動してプラグインを適用する。)


  a. 破壊オブジェクトの設定

  1)Geometry Collect. の作成
   :コンテンツブラウザで右クリック >「Create Advanced Asset」>「Geometry Collection」を選択する。

  2)破壊オブジェクトの設定
   :Geometry Collectionアクターをレベルに配置し、破壊オブジェクトとして設定する。
   :「Details」パネルで破壊パラメータを調整する。

  3)シミュレーションの実行
   :ゲームプレイ中に破壊シミュレーションが正しく機能するかを確認する。


  b. 剛体ダイナミクスの設定

  1)剛体アクターの配置
   :レベルに剛体アクターを配置する。Static Meshアクターを選択し、「Details」パネルで「Simulate Physics」を有効にする。

  2)物理プロパティの調整
   :質量、摩擦、反発係数などの物理プロパティを調整して、オブジェクトの動きをリアルにシミュレートする。


  c. 流体シミュレーション

   1)流体アクターの配置
    :設定がやや高度のため、公式ドキュメントを参照して設定を行う。


  d. クロスシミュレーション

  1)クロスマテリアルの作成
   :布や衣服に適用するクロスマテリアルを作成する。
   :クロスシミュレーション用のパラメータを設定する。

  2)クロスアクターの配置
   :クロスアクターをレベルに配置し、クロスマテリアルを適用する。
   ;物理シミュレーションが正しく機能するかを確認する。

Lumen と Virtual Texturing の違い

Lumen(ルーメン)

 :リアルタイムグローバルイルミネーションと動的反射を提供するシステム。非常にリアルなライティングを実現する。

Virtual Texturing
(バーチャル
 テクスチャリング)

 :大規模なテクスチャデータを効率的に管理し、高解像度のビジュアルを提供する技術。

Virtual Texturing(バーチャルテクスチャリング)

【概要】

 :大規模なテクスチャデータを効率的に管理、レンダリングするための技術のこと。

 :メモリ使用量を削減し、パフォーマンスを向上させる。

【詳細】

 ・テクスチャストリーミング
  :必要なテクスチャデータのみをロードし、メモリ使用量を最小限に抑える。

 ・高解像度テクスチャ
  :大規模なテクスチャ(例えば、4K、8Kなど)を効率的に扱う。

 ・ページングシステム
  :テクスチャデータを小さなタイル(ページ)に分割し、必要なページだけをロードする。

【設定方法】

 1.プロジェクト設定
  :「Edit」>「Project Settings」>「Rendering」セクションで、「Enable Virtual Texturing」をチェックする。

 2.テクスチャの設定
  :使用するテクスチャのアセットを選択し、「Virtual Texture Streaming」を有効にする。

Lumen(ルーメン)

【概要】

 :動的なライティングと反射を高品質かつ効率的に実現するための技術。

 :従来のライトベイクや事前計算なしで、リアルタイムのライティングを計算する。

【詳細】

 ・リアルタイム
  グローバルイルミネーション
  (Global Illumination, GI)
  :光が複数回反射することで生じる間接光をリアルタイムで計算すること。動的に変化するシーンでも正確なライティングが提供される。

 ・リアルタイム反射
  (Reflections)
  :鏡や水面などの反射性の高い素材に対して自然な反射効果が提供される。

 ・動的ライティング
  :動的に変化するライトソースやオブジェクトの移動に対して適応する。

  :常に正確なライティングと反射を維持する。

【設定方法】

 1.プロジェクト設定
  ・「Project Settings」>「Engine」>「Rendering」セクションで、「Global Illumination Method」と「Reflection Method」を「Lumen」に設定する。

  ・「Platforms」>「Windows」セクションで、RHI(レンダリングハードウェアインターフェイス)を「DirectX 12」に設定する。


 2.ライティング設定(例)
  ・Sky Lightの「Details」パネルで「Real-Time Capture」を有効にする。

  ・主光源となる Directional Light を配置し、主要なライティングを設定する。

  ・「Post Process Volume」を追加し、ボリュームの範囲を「Unbound(無限)」に設定する。


 3.調整
  ・「Post Process Volume」の「Lumen Global Illumination」セクションで、グローバルイルミネーションの品質や強度を調整する。

  ・「Lumen Reflections」セクションで、反射の品質やディテールを設定する。

Nanite(ナナイト)

【概要】

 :数億ポリゴンにおよぶ複雑なモデルをリアルタイムで扱うための仮想化ジオメトリシステムのこと。

 :非常に高いレベルのディテールを持つ3Dモデルを効率的にレンダリングする。

【詳細】

 ・仮想化ジオメトリ
 (Virtualized Geometry)
  :ジオメトリデータを仮想化し、必要な部分だけを動的にロードする。

 ・LOD(Level of Detail)
  の自動管理
  :Nanite では距離に応じて自動的に適切なディテールレベルを選択する。

  ・マイクロポリゴン
   レンダリング
   :非常に小さなポリゴンを使用したレンダリングのこと。詳細なサーフェスディテールを保持しながら効率的に高解像度を実現する。

【設定方法】

 1.プロジェクト設定
  :プロジェクト設定で、Nanite が有効になっていることを確認する。

 2.マテリアル設定
  :高度なシェーダーやエフェクトをサポートするように設定する。

  :特に、ディスプレイスメントや詳細なノーマルマップなどが効果的に機能する。

 3.Nanite対応アセットの
   インポート
  :高解像度の3Dモデル(例えば、ZBrushで作成した高ポリゴンモデルなど)を用意する。
  
  :用意したモデルをコンテンツブラウザ「Import」からインポートする。(インポート時、「Nanite Support」を有効にする。)
     
 4.Nanite対応メッシュの確認
  :Static Mesh エディタを開き、Nanite対応メッシュとして設定されていることを確認する。

 5.Naniteのパフォーマンス設定
  :「Screen Space Error」設定を調整して、レンダリング品質とパフォーマンスのバランスを最適化する。

  :この設定は、ディテールレベルとレンダリングコストのトレードオフを管理する。

 6.デバッグツールの使用
  :Nanite のパフォーマンスをモニターするためのデバッグツールを使用する。

  :デバックツールで Nanite メッシュのパフォーマンスを確認し、必要に応じて調整する。