LOD(Level of Detail、詳細度レベル)

【概要】

 :オブジェクトの表示品質を距離に応じて調整する技術のこと。

【詳細】

 ・LODレベル
  :オブジェクトに設定される複数の詳細度レベル。

  :通常、LOD0が最も詳細で、LOD1、LOD2と進むにつれてポリゴン数が減少する。

 ・スクリーンサイズ
  (Screen Size)
  :各LODレベルが使用される距離の閾値を決定する値のこと。

  :視点からの遠くなると、スクリーンサイズが小さくなり、より低いLODレベルが使用される。

【例】

 ・建物のLOD設定
   
   LOD0(詳細モデル)
   :建物の詳細なモデルを作成し、窓、ドア、装飾などの細かいディテールを含める。

   LOD1(中間モデル)
   :ポリゴン数を減らし、主要な形状と少しのディテールを保持する。

   LOD2(低詳細モデル)
   :建物の基本形状のみを残し、さらにポリゴン数を削減する。

Skeletal Mesh(スケルタルメッシュ)

【概要】

 :アニメーション可能な3Dオブジェクトの一種のこと。

 :骨格(スケルトン)とメッシュ(頂点やポリゴンの集合体)で構成される。

 :骨格に基づいてメッシュを変形させることでアニメーションを実現する。

【詳細】

 ・スケルトン(Skeleton)
  :メッシュを動かすための骨格構造。
  :複数のボーンで構成され、各ボーンはメッシュの特定部分の動作に使用する。

 ・ウェイトペインティング
  (Weight Painting)
  :メッシュの各頂点がどのボーンからどの程度の影響を受けるかを定義するプロセスのこと。
  :ボーンの動きに応じてメッシュを滑らかに変形させる。

 ・アニメーション(Animation)
  :スケルトンのボーンの動きによってメッシュを動かすデータのこと。
  :アニメーションはキーを持つフレームごとのボーンの変形データとして保存される。

Static Mesh(スタティックメッシュ)

【概要】

 :3Dオブジェクトの一種で、変形しない固定されたメッシュのこと。

 :例えば、建物、家具、岩、木、車などは Static Mesh で作成される。

【詳細】

 ・メッシュ(Mesh)
  :3Dモデルを構成する頂点、エッジ、ポリゴンの集合体のこと。
  :Static Meshは固定された形状を持つメッシュで、アニメーションや骨格の変形は行えない。

 ・LOD(Level of Detail)
  :描画距離に応じてメッシュの詳細度を変える技術のこと。
  :遠くのオブジェクトは低解像度、近くのオブジェクトは高解像度のメッシュを使用する。

Landscape(ランドスケープ)

【概要】

 :広大な地形の作成、編集に使うツールのこと。

 :例えば、山や谷などの地形を作成し、これに植生や岩などを追加する。

【詳細1】

 ・セクション(Section)
  :Landscape を構成する小さなパッチのこと。

  :それぞれが個別に編集可能で、大規模な地形を効率的に管理できる。

 ・コンポーネント
  (Component)
  :セクションが分割されたもの。
  :各コンポーネントは個別にレンダリングできる。

  :コンポーネントのサイズと数は、パフォーマンスに影響を与える。

 ・レイヤー(Layer)
  :テレインの異なる特性や素材(テクスチャ)を定義する。

  :例えば、草地、砂地、岩地などのレイヤーを作成して、適用する。

 ・テレイン(Terrain)
  :地形や地表を表現するための技術および機能のこと。

  :テレインの作成、編集の主要なツールとして「Landscape」が提供されている。

 ・ハイトマップ(Heightmap)
  :テレインの高度情報を格納した画像ファイルのこと。

  :各ピクセルの明るさが地形の高さを表し、これに基づいて地形が生成される。

【詳細2】

 ・スカルプト(Sculpt)ツール
  :地形を編集するための基本的なツール。
  :ブラシを使って地形を上げたり下げたり、平坦化したりできる。

 ・ペイント(Paint)ツール
  :地形にテクスチャをペイントするためのツール。
  :異なるレイヤーを使用して、地形に異なる素材を適用する。

 ・スムーズ(Smooth)ツール
  :地形の凹凸を滑らかにするためのツール。
  :急な斜面や不自然な凹凸を滑らかにして自然な地形にする。

 ・フラット(Flatten)ツール
  :指定した高さで地形を平坦化するツール。
  :特定の高さに統一された平地を作成する。

 ・フォリッジ(Foliage)ツール
  :草木や岩などのオブジェクトを地形に配置するためのツール。
  :ブラシを使ったり、密度やスケールの調整によって、自然な配置が実現できる。

【例】

 ・川と湖の作成
   
  1)スカルプトツールで
    川の流路を掘る
    :川の始点から終点までを連続して編集する。

  2)フラットツールで湖を作成
    :川の流れの先に湖を作成する。
    :湖の周囲を平坦にして、リアルな水面を再現する。

  3)水のマテリアルを適用
    :水のマテリアルを使用して、川と湖に水面を追加する。

  4)フォリッジツールで
    水辺の植生を追加
    :川沿いや湖畔に草木や岩を配置し、水辺の自然環境を整える。

Inverse Kinematics(IK)

【概要】

 :キャラクターの関節の位置や姿勢を計算する技術のこと。

 :例えば、特定の位置に手や足を動かす際、到達に必要な関節の角度を自動的に計算する。

【詳細1】

 ・目標(Target)
  :手や足などの末端エフェクター(End Effector)が到達すべき目標位置。
  :この目標に基づいて関節の角度を計算する。

 ・チェーン(Chain)
  :目標位置に到達するために動かす関節の連なりのこと。
  :例えば、腕のIKチェーンには肩、肘、手首が含まれる。

 ・エフェクター(Effector)
  :IKによって動かされる末端ボーンのこと。手や足など。

【詳細2】

 ・シングルボーンIK
  (Single Bone IK)
  :単一の関節を制御するIK。
  :簡単な制御に使用する。

 ・2ボーンIK(Two Bone IK)
  :二つの関節を制御するIK。
  :例えば、上腕、前腕、手首の制御に使用する。

 ・フルボディIK(Full Body IK)
  :キャラクター全体の関節を制御するためのIK。
  :より複雑で精密な動きを実現できるが、計算コストが高くなる。

State Machine(ステートマシン)

【概要】

 :アニメーションブループリントの一部で、複雑なアニメーションシステムを構築できるツールのこと。

 :例えば、歩行、走行、ジャンプ、攻撃などの異なる状態間をスムーズに遷移させる。

【詳細】

 ・ステート(State)
  :キャラクターの特定のアニメーション状態のこと。
  :各ステートには、それに対応するアニメーションや Blend Space が割り当てられる。

 ・遷移(Transition)
  :一つのステートから別のステートに移行するための条件とルールのこと。
  :開始条件や遷移時間、遷移中のブレンド方法などを設定できる。

 ・エントリーポイント
  (Entry Point)
  :ステートマシンの初期状態を決定するためのスタートポイントのこと。
  :ゲームが開始されたときに最初にアクティブになるステートを指定する。

Blend Spcace(ブレンドスペース)


【概要】

 :アニメーションシステムの一部で、複数のアニメーションを滑らかにブレンドするためのツールのこと。

 :キャラクターの動きをより自然で一貫性のあるものにする。
 
 :例えば、歩行と走行のアニメーションをブレンドし、移動速度に応じたスムーズな動きを実現する。

【詳細】

 ・1D Blend Space
  :一つのブレンドパラメータに基づいてアニメーションをブレンドする。
  :例えば、「速度」など、主に単一の入力値に対するブレンドが必要な場合に使用する。

 ・2D Blend Space
  :二つのブレンドパラメータに基づいてアニメーションをブレンドする。
  :例えば、「速度」と「方向」など、複数の入力値に対するブレンドが必要な場合に使用する。

Game Instance(ゲームインスタンス)

【概要】

 :ゲーム全体の状態を管理するために使用するクラス。

 :ゲームの起動から終了までの間、常に存在し続ける、複数レベル間でデータ保持に適したクラス。
 
 :例えば、プレイヤーデータや設定情報、セッション情報など。

Behavior Tree(ビヘイビアツリー)

【概要】

 :AI(人工知能)キャラクターの行動を制御するためのツールのこと。

【詳細】

 ・ルートノード(Root Node)
  :ツリー全体の起点のこと。
  :ルートノードから始まり、各ノードを順に評価していく。

 ・コンポジットノード
  (Composite Node)
  :複数の子ノードを持ち、その評価を制御するノード。
  :代表的なコンポジットノードに、セレクター(Selector)とシーケンス(Sequence)がある。

 ・デコレーターノード
  (Decorator Node)
  :他のノードに条件を付けるためのノード。
  :特定の条件が満たされた場合にのみ子ノードを評価する。

 ・タスクノード(Task Node)
  :実際のアクションを実行するノード。
  :AIキャラクターの具体的な動作や判断を行う。

 ・サービスノード
  (Service Node)
  :特定の間隔で繰り返し実行されるノード。
  :例えば、定期的にキャラクターの位置を確認するなど、状態の更新を行う。

Niagara と Cascade

【概要】

 :パーティクルシステムおよびエフェクトの作成ツールのこと。

 :Niagaraは、Cascadeの後継で、Cascadeよりも柔軟で強力なエフェクト作成能力を提供する。

【詳細】

 ・エミッタ(Emitter)
  :パーティクルを生成するユニットのこと。
  :エフェクトの発生源となる基本的な構成要素。
  :パーティクルの生成、形状、ライフサイクル、速度、色、サイズなどを設定する。

 ・システム(System)
  :一つ以上のエミッタから構成されるエフェクト全体のこと。
  :複数のエミッタを組み合わせた、より複雑なエフェクトをシステムという。

 ・モジュール(Module)
  :パーティクルやエミッタの挙動を定義するためのコンポーネントのこと。
  :モジュールをエミッタに追加して、パーティクルの初期状態や動き、色、サイズなどを制御する。

【例】

 1.爆発エフェクト

  1)エミッタの設定
   :高速で広がるパーティクルを生成するエミッタを追加する。
   :発生率を高くして、パーティクルの寿命を短く設定する。

  2)色とサイズの設定
   :初期色をオレンジや赤に設定し、ライフタイム中に黒く変化するように設定する。
   :また、パーティクルのサイズも時間とともに小さくなるように設定する。

  3)衝突の設定
   :パーティクルが地面や障害物に衝突したときの挙動を設定する。


 2.雪エフェクト

  1)エミッタの設定
   :ゆっくりと降るパーティクルを生成するエミッタを追加する。
   :発生率を低くし、パーティクルの寿命を長く設定する。

  2)色とサイズの設定
   :パーティクルの色を白に設定し、サイズを小さくする。

  3)動きの設定
   :パーティクルの初期速度を低くし、風の影響を受けるように設定する。
   :パーティクルが横に揺れながら降るイメージ。